【7.装具器具等購入費|交通事故の積極損害】

将来の交換費用まで認められます

義手や車いすなどの装具・器具は、必要があれば将来の交換費用も含めて全額認められます。

 

この損害費目に関する注意点をまとめました。

 

事例は主に「赤本(※)」から抜粋しているので、正確な情報が必要な場合は原本を参照してください。

 

※「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」 弁護士が賠償請求額を決める時に使うバイブル

 

認められる装具・器具のリスト

眼球関係 眼鏡・コンタクトレンズ・義眼・盲導犬費用
手・足・胴装具系 義手・義足・コルセット・サポーター
移動関係 車椅子(手動・電動・入浴用)・折り畳み式スロープ・歩行訓練器
ベッド関係 電動ベッド・介護支援ベッド・エアマットリース代
口腔・食事関係 義歯歯・口腔清掃用具・吸引器・障害者用はし
その他 脊髄刺激装置(※)、他(下記事例参照)

※痛みのある部分を支配する神経につながる脊髄に微弱な電流を流して、痛みを緩和する装置。

 

装具系の事例

  • 頭部に醜状痕の残った男児に人口カツラ代を認めた例。
  • 公的給付を受けられるから損害がないとする加害者側の主張を退けて、義足費用を認めた例。
  • 左右の足のサイズが不ぞろいになった女性に特注靴の費用を認めた例。
  • 女性の義足費用のうち、美観をよくする費用71万円が認められた例。
  • 膝が壊れた被害者のために、右膝硬性装具を平均余命分の交換回数だけ費用を認めた例。

 

介護用品・器具の事例

  • 人工呼吸器関連・頸椎固定器具など、特殊な用品の費用が認められた例。
  • 労災保険の給付は不確定なので考慮すべきではないとして、平均余命中の車椅子買い替え費用を認めた例。
  • 要介護の女児に対し、入浴用天井走行リフト、入浴用担架、キャリーシートなど、様々な費用が認められた例。
  • 男児の平均余命分の歩行補助具と車椅子の買い替え費用を認めた例。
  • てんかんの治療費・介護ベッド費・自動車リフト費などを認めた例。
  • 屋内用・屋外用・屋外リハビリ用と3種の車椅子の買い替え費用を将来にわたって認めた例。

 

その他

  • 両眼失明の大学生に盲導犬費用が認められた例。
  • 1級障害者で転職も困難なイラストレーターに高額なデザイン用パソコンの費用の半額が認められた例。
  • 会話が不自由な小学生に、意思伝達と情報収集用のパソコン購入費が認められた例。
  • 声が出ない高校生に、携帯型意思伝達装置の費用が認められた例。